公務員 最終面接のはなし
公務員試験の最終面接、それは某8月の話。
一次試験も、二次試験も順調にパス。残るは最終面接ときた。
正直、面接は自信があったので、それほど緊張はしてなかった。
が、もしかしたら圧迫面接もあり得るなと若干の不安を感じつつ、最終面接の部屋の扉を開けた。
面接官はふたり。メガネのおじさんと、アフロ。
アフロだ。
俺の頭の中は一瞬にしてアフロで埋め尽くされた。いや、アフロで圧迫されていた。
すでに圧迫面接は始まっていたのだ。
質問はメガネのおじさんからのみで、アフロはメモ係。雰囲気は和やかで非常に順調に進んでいく。
勝利を確信しつつ、面接が最終ラウンドを迎えたとき、メガネが他に聞きたいことあるかと、アフロに話を振ったのだ。
そして…アフロが口を開く。
アフロ「大学の時のあだ名はなんですか?」
俺「へぁっ…ほ…はへぇぇ……」
俺はまるで王に殺される手前のウェルフィンのように固まる…
(このままだと質問に答えられず落ちて)死ぬ!
(公務員になって幸せに)生きたい
永遠とも思える時間のなか、必死の笑顔で答える。
俺「にしやん…?」
中学の時のあだ名をコムギばりに絞り出したのだ…
メガネが必死フォローにしてくれ最悪な空気はすぐに戻った。アフロは満足そうに質問は以上ですと切り上げる。
なにが以上だ。
お前のあだ名は誰でもわかるんだよ。
そして時が経つ。
無事合格し、入庁してから血眼でアフロを探した。
が、なぜか見つからない。
人事課に足を運び確認するもいない。
昨年まで人事課にいたという先輩に聞くもそんな奴は知らないという。
寒気が止まらなかった。